笑顔で穏やかな生活を支える認知症の方へのポジティブケア

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情報共有ノート

數井 裕光

作成目的

BPSDに対する薬物治療が実施されている時に、効果と副作用に関する情報を集約し、薬剤の効果を最大に副作用を最小にするために使用します。

概要
薬物治療実施中に、複数の家族やケアスタッフに、それぞれの人が、それぞれの場所や時間帯に観察した認知症の人の様子(治療の目標となった症状が改善したか否かと眠気やふらつきなどの薬剤による副作用と考えられる症状が出現したか否かが主たる観察ポイントです)をノートに記録してもらいます。薬剤を処方した医師は、様々な時間帯、様々な場所の認知症の人の様子を知ることができるため、効果を最大にして、副作用を最小にとどめる薬剤調整を行うことができるようになります。
使用の際の留意点

情報共有ノートが開発された当初は、市町村や病院が1人の認知症の人に対して、1冊作成し、認知症の人が天寿を全うされるまで継続的に使用することを想定していました。しかし、情報共有ノートに記載したり、その記載を読んだりするためにも時間を必要とするため、共有すべき情報が乏しい人や時期には、使用頻度が減り、徐々に使われなくなりました。そこで、本指針では、BPSDに対する薬物治療が開始された時にのみ使用することを提案しています。

検証

情報共有ノートとこのノートの使用法を習得するための学習会に参加することによって、家族、ケアスタッフ、かかりつけ医などの間での情報共有が促進され、家族介護者の介護負担が軽減することが研究で明らかにされています。しかし、BPSDに対する薬物治療を行っている時に情報共有ノートを使用することによって、薬剤の効果が増し、副作用が減少するか否かについては検証されていません。

詳細ホームページ

みまもりつながりノート(認知症の方を支える人のための情報共有ノート)(外部HP)